投資には『一括購入』と『積立購入』の2つがあります。
たいていの本では『積立購入』を推奨してしますが、手数料がかさむので『一括購入』すべきという意見もあり、結局どっちがどのくらいお得なのかわからなくなってきますよね。
自分に合った投資計画を立てる上で重要なポイントなので、今日は米国ETFや米国個別株を購入する時の手数料について考えてみたいと思います。
※当ブログでは長期保有を前提としておりますのでご了承ください。
いくら以上から手数料がお得になるの?
証券会社により手数料は違いますが、このブログではSBI証券か楽天証券のどちらかを利用することを想定しているため、下の表で計算していきます。

例として、500万円を1つの銘柄に投資すると決めたと仮定し計算していきましょう。
500万円の現金を持っている人が1回234円を下回る額の投資をすることは非現実的なので、ここでは手数料0円となる額のことは考えないで話を進めます。
この2つの計算でわかりましたね。
合計投資金額が500万円の場合、1回の投資額が467,116円以下であれば、いくらを何回に分けて投資しても24,750円以上はかかりません。
逆に一回の約定金額が467,116円以上であれば、上限は2,312円です。
ここからは、投資する回数が減れば減るほど合計手数料額は減っていきます。

結局、一括と積立どっちがいい?
運用益で比較
一括投資のメリットは、手数料が安く抑えられるだけではありません。
運用益で考えても、かなりお得なのです。
たとえば、合計120万を投資するとします。
月1万円を積立投資すると、総額120万円になるには120回(10年)かかりますね。
運用益は10年で35万3千円となります。

逆に120万円一括投資して10年間保有した場合の運用益は、以下の通りになります。
10年の運用益は75万5千円です。

運用益を並べてみてみると、後半に向けて積立投資の運用益も追い上げていくように見えますが、最終的に40万2千円の差が出ることになります。
合計投資額が10倍の1,200万円なら、差は402万円となります。
配当金を再投資して複利をきかせると、この差は大きく開いていくことになります。

ですので、効率良く投資の利益を上げたい場合は、手持ちの資金を一括投資するのが賢い方法といえます。
『ドルコスト平均法』は一般的に間違いのない手堅い方法と言われていますが、「早くFIREしたい」などの明確な目的がある方には、一括投資が合っていると思われます。
以下の本は『ドルコスト否定派』です。
私たちがそれぞれの個性を持っているように、投資の答えは1つではありません。
自分の信じる投資法と反対の意見が書かれた本を読むことも、投資スタイルを確立する上でとても大切です。


一括投資のデメリット
一括購入は積立投資と比べて、『手数料が安くなる』だけではなく、『運用益が多くなる』というメリットがあることが分かりました。既に手元に十分な額の資金があり、一括で投資をする勇気のある方には一括投資がおすすめです。
ただ、一括投資のデメリットとして『機会損失』があります。
どういうことかと言いますと、株が常に値動きしていることは誰もが知っています。なので、「ちょっとでも値下がりした時に買いたい」と思うのが人間の心理ですよね。
大きなお金を動かすなら、その気持ちはさらに大きくなるはずです。
特に右肩上がりの相場では、「今は全体に相場が高めで推移しているから、暴落してから買おう」と考える人が多いのですが、市場の値動きを見極められる人間はいません。
お金をもらって運用しているプロでも不可能です。
期待した暴落が来ないまま、ただ上がり続ける株価を何年も見守り続ける。これが投資における機会損失です。
資金や知識があっても、肝心の投資が始められなければ何の意味もありません。
何度も繰り返しますが、今の相場がこのまま上がり続けるのか、それとも明日から暴落が始まるのか、誰にもわからないのです。
「一括購入は不安で投資を始められない」という方には、積立投資がおすすめです。
まとめ
1.1回の投資額が467,116円以下なら、いくらを何回に分けても手数料は同じ
2.467,117円を超えると、一回に投資する金額が大きくなればなるほどお得
3.一括投資の方が手数料が安く、運用益は高くなる
4.手元に資金が既にある人や、効率よく資産を増やしたい方は一括投資がおすすめ
5.手元の資金が十分でない方や、一括投資に不安を感じる方には、無理せずコツコツ分散投資がおすすめ
自分の性格・投資スタイル・資産状況をしっかりと把握し、投資は無理のない範囲で行いましょうね。
最後までお付き合いありがとうございました。
みなさんのGOOD LIFEを願って。
米国株と米国ETFは、現在5つの証券会社で購入することができます。